November 2015
11月のインテリアレポート:
11月半ばから2週間スコットランドで過ごしました。その折スコットランドで一番大きな都市、Glasgow(グラスゴー)で今話題のホテル、CitizenM(シチズンM)ホテルに滞在しました。
このホテルは客室はあまり広くなく最低限必要なモノのみ配置しその分お値段をリーゾナブルに抑えています。
代わりに共有のスペースを1階と2階に設けそこは広々と皆で楽しめる空間となっています。北ヨーロッパ発信の最新インテリアをご紹介します。
2015年12月
荻野洋子
CitizenMホテルのユニークさをこのチェアーが表現しています。 寒く採光の乏しい北の街。 ラウンジで赤がひときわ目を引きます。 実際ここに座るのはちょっと大変。 2段目の高いほうに座るために 1段目のソファに脚をかけなくては なりません。 これは仲良し同士で座る椅子なのですね。 |
窓の外のセピア色の景色を上手く利用し 赤と黒の色の効果を楽しむラウンジ。 ホテル内にはあちこちに宿泊者のための ラウンジが設置されコーナーごとに異なる家具を配置しているので どこで過ごしていても退屈しません。 |
ラウンジNo.2. こちらは低めのソファの配置により一層 くつろげる空間となりました。 空間のちょうど真ん中にシンプルな ペンダントライトが下がっており ソファで読書をする人が有効に 使えるようになっています ここでも赤のクッションの効果が 見られます。 |
こちらはキッズラウンジ。 プラスチック製の椅子のひとつは赤。 白の椅子のひとつはぞうさんの形を していました。壁にかけられた絵は 動物やお姫様ですけれど 大人かわいい図柄です。 ヨーロッパの人たちのセンスが 良い理由のひとつは子供の頃から 大人の感性でかわいいものを 見ていることに あるかと思います。 |
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ホテルで使用している家具や照明にはイームズやイサムノグチのものも見られました。 何十年たっても良いもの、 本物は飽きがきません。 |
壁一面の棚はボックス型になっておりひとつひとつ収まっているものが異なります。本、花瓶、オブジェなどさまざまですがテイストをそろえているので違和感がございません。テレビでさえブラックのフレームの中におさまると同化して目立たなくなりますね。ちょうど朝のBBCニュースが放映されていました。 | 2階廊下の端、階段ホールを見渡す位置に一列パソコンコーナーがありました。カウンターデスクの前は階段室の吹き抜け空間が広がっています。ばらばらに配置されたイサムノグチの丸い和紙のペンダントライトがこの吹き抜け空間を幻想的に見せています。 | 階段を降り始めると照明の下に人型のオブジェが横たわっています。ペンダントライトの薄暗い灯りのなかで見た者がびっくりするような趣向にホテルの遊び心が見えました。 | ||||||||
1階は会議室やスタディルームを配置。 低めのソファ脇のフロアスタンドは 読書用です。 スタディルームなので照明は暗めで 落ち着いた雰囲気になっています。 |
ジョージネルソンが1958年に発表した スワッグレッグデスクも スタイリッシュなインテリアにあっています。パソコンの普及でペーパーレスで 仕事が出来る時代になって より一層ぴったりのデザインですね。 |
1階にはメインダイニングルームも 配置されています。 CitizenMのコンセプトなのでしょうか、 テーブルは個別ではなく大きく皆で囲めるタイプになっていました。 ラフな天板の大きなテーブルが インダストリアルな雰囲気を 出しています。 |
ドリンクやフードを出してくれるキッチン。 こちらも絵のように収納棚が 設置されていました。 でも造りはいたってラフ。 お金も大してかからず造れそう。。。 などと思ってしまいました。 でもアイデアやディスプレイセンスは お金では買えませんね。 |
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大きなダイニングテーブルの椅子に赤い椅子が混じっていました。 ポイントに赤を使う術は本当に上手です。 |
床から天井まで大きな一枚の絵のように 見える棚。テレビの代わりに大きな時計が置かれているのも理由があってです。 時間に追われる忙しい朝、 またゆっくりお酒を飲んですごす夜、 無粋なテレビは不要です。 時を告げる大きな丸い時計がこの部屋で過ごす理由を教えています。 |
さて、CitizenMホテルに見られるような スタイリッシュでインダストリアルな 雰囲気のインテリアは近年北ヨーロッパ、 特に北欧で人気です。 ひところのカントリースタイルや ジャンクスタイルから進化しもっと ラフで気取りのないおしゃれな形が 若者たちにうけているのでしょう。 写真はヒースロー空港の ファーストフードやさん。 ここでも最新スタイルを見かけました。 |
サンドイッチのケースの前に ディスプレイテーブルが配置。 このお店が食べ物やさんであることを テーブルが物語っていますね。 ラフなテーブルにインダストリアルな ペンダントライトがぴったり マッチしています。 |
いかがですか?
お金をかけないインダストリアルインテリア。
今の時代を象徴しているかのようですね。
特に身の丈にあった暮らしをおしゃれにする若い世代の人たちの暮らしにフィットしたスタイルは
日本でも流行になりそうです。